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About- 特殊伐採とは
高木が密集していたり、建物や電線に近接していたり、急斜面や崖地など、足場が不安定な場所での伐採作業が必要な場合に選ばれる方法です。
周囲の環境や樹木の状態に合わせて、専門的な技術や知識を用い、安全かつ確実に伐採作業を行います。


Difference- 特殊伐採と通常伐採の違い
通常の伐採は、比較的開けた場所でチェーンソーなどを利用して木を根元から切り倒す作業を指します。
一方、特殊伐採は上記のような特殊な条件下で周囲の環境に配慮しながら、安全に木を伐採する技術を必要とします。
特殊伐採 | 通常伐採 | |
---|---|---|
作業 環境 |
住宅密集地、電線近接地、急斜面、車両侵入ができない場所 | 比較的開けた場所 |
作業 方法 |
ツリークライミング、リギング、クレーンを使用 | クレーン、高所作業車などを使用 |
技術 ・ 知識 |
専門的な技術・知識が必要 | 一般的な伐採技術で対応可能 |

Background- 特殊伐採の需要が増えた背景

- 都市化の進展と生活空間の変化
- 近年、都市化の進展に伴い、住宅地や商業施設が森林や山間部にまで拡大しており、
これまで山林で行われていた伐採が、住宅や建物が密集した都市部で行われるケースが増加しています。
都市部では電線や建物への倒木のリスクが高く、安全かつ効率的に伐採を行う必要性があります。

- 老朽化した樹木の増加
- 戦後や高度経済成長期に植樹された樹木が大径木化したり、老朽化による倒木の危険性が増しています。
特に公園や学校、道路沿いなど、人通りの多い場所に植樹されている老朽化した樹木は落下や倒木の危険性が高く、早急な対策が必要とされていますが、特殊伐採は、このような老朽化した樹木を安全に伐採する技術として、注目されています。

- 防災意識の高まり
- 樹木は、強風や豪雨によって倒れたり、枝が折れたりするなどして、家屋や電線に被害を与える可能性があります。
特殊伐採は、災害発生のリスクを低減するために、事前に危険な樹木を伐採する手段として有効です。

- 環境保全への意識の高まり
- 特殊伐採は、従来の伐採方法と比較して、周囲の環境への負荷が低いという特徴があります。
樹木を細かく切断して運び出すため、周囲の樹木や植物への影響を最小限に抑えることができます。
また、騒音や振動も少なく、住宅地や商業施設など周囲への配慮が必要な場所での伐採に適しています。

Method- 特殊伐採の種類・方法
ロープ技術を駆使して木に登り、枝や幹を少しずつ切り落とす伐採方法です。
専門の資格を持ったツリークライマーが木に登り、ロープを使って安全を確保しながら作業を行います。
足場を組むことが難しい場所や、周囲に家屋や電線などの障害物がある場合に適しています。
- 足場を組む必要がないため、狭い場所や傾斜地でも作業が可能
- 周囲の環境への影響を抑えながら、安全に伐採できる
- 枝や幹を細かく切り落とせるため、周辺への被害を最小限に抑えられる
- 他の方法に比べて作業時間がかかる場合がある
- 樹木の大きさや状態によっては対応できない場合もある

大型クレーンを用いて樹木を吊り上げて伐採する方法です。
広範囲に渡って伐採する場合や、樹木が非常に大きい場合に適しています。
- 短時間で効率的に伐採できる
- 大型の樹木でも安全に伐採できる
- 他の作業と並行して行える場合がある
- クレーンが入れない場所では作業できない
- 周囲の環境によっては、安全確保が難しい場合がある

高所作業車のバケットに乗り込み、高所の枝を切断していく方法です。
電線付近の枝の伐採や比較的低い樹木の伐採に適しています。
- 安全かつ効率的に高所の作業ができる
- 電線などの障害物がある場合でも、安全に作業できる
- 高所作業車が入れない場所では作業できない
- 樹木の大きさや形状によっては対応できない場合がある


Case- 特殊伐採が必要なケース
-
住宅や建物に隣接する大木の伐採
住宅や建物に近接している大木は、倒木や落枝によって家屋や人に被害を与える可能性があります。
ツリークライミングやクレーンなどを駆使して、周囲に影響を与えずに安全に伐採作業を行います。 -
電線に絡んでいる木の伐採
電線に絡んでいる木は、停電や火災の原因となる可能性があり大変危険です。
感電の危険性もあるため、専門の資格と技術を持った作業員が、絶縁処理などを施しながら慎重に伐採を行います。 -
狭い場所や傾斜地など作業が困難な場所の伐採
狭い場所や傾斜地、崖地など、重機が入れない場所での伐採は、特殊伐採の技術が必要となります。
ロープワークを駆使したツリークライミングや、クレーンを遠隔操作するなどして、安全かつ確実に伐採を行います。 -
街中や学校・公園・寺院など障害物が多い施設の伐採
街中での伐採は通行人や車両への安全確保、騒音や振動への配慮など周辺環境への配慮が特に重要となります。
また、学校・公園・寺院など遊具や墓石、建造物など障害物が多い施設では、周囲の状況に細心の注意を払いながら伐採を行う必要があります。